上流工程に参画したいけどなかなか参画できない、こんな悩みを抱えている人はとても多いと思います。特に、未経験、もしくは経験が少ない方は、どうやって参画していけばよいかわからないですよね。
私も、今でこそセールスやプロマネなどの上流工程に参画できるようになりましたが、IT業界に入った当初は、自社が中小企業だったこともあり、とても苦労しました。その中でも、試行錯誤して上流工程に参画することができましたので、そのノウハウをもとに、3つのステップで書いていきたいと思います。
こんな人におすすめ
- プログラマやSEの経験を積んできたが、そろそろ上流工程をやってみたい
- 上流工程の経験を積んでいきたいけど、どうやって入ればいいかわからない
- 今はまだ早いとけど、将来的には上流工程を生業(なりわい)としたい
初めてでも大丈夫!上流工程に参画するための3つのステップ
それでは、3つのステップを挙げていきます。
- ステップ1:勉強してアウトプットする
- ステップ2:今の現場で周りにアピールする。
- ステップ3:案件を変えてもらえるように相談する
一つ一つ見ていきましょう。
ステップ1:勉強してアウトプットする
上流工程でやることをイメージできるよう情報収集する
まずは、情報収集をしましょう。何から手を付けていいかわからない場合は、Webサイトを読んだり、Youtubeで動画を視聴しながら、自分のやりたい上流工程のイメージを付けてみてください。
イメージをつかんだ後は、書籍で勉強することをおすすめします。WebサイトやYoutubeだと情報が偏ってしまう可能性があります。深さも広さも、書籍が最も優れていると考えています。
おすすめは、すでに体系化されている情報を書籍で勉強することです。マネージメントだと、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)やプロジェクトマネージャーの資格の書籍です。詳細は割愛しますが、書店やAmazonなどで探してみてください。
ちなみに、資格を取るべきかはコスパ(時間対効果)を考えると絶対おすすめ、とはいえず悩ましいところです。実務で学んでいくことのほうが早い気がしますが、アピールポイントの一つとして使えるものではありますので、特に未経験の方は検討してもよいかもしれません。
情報を定着させるため自分の頭で考える
勉強した内容を、いちど自分の中で考えてみてください。知識として定着させるために、今までの経験で、当てはまるものはないか、こうやったらうまくいったかも?など、具体的なイメージをしてみましょう。
インプット、考える作業は、どこでもできます。移動中、食事中、お風呂など、5分の隙間時間でも考えることはできます。考える内容だけ、頭の片隅に記憶しておいて、空いた時間に引っ張り出して考えてみてください。
自分の資産として残すためアウトプットする
勉強した内容をもとに、アウトプットしましょう。Twitterやブログ、Youtubeなど、残るものにアウトプットするのが望ましいです。
アウトプットを残しておくことで、自分の「資産」となり、アピールとして使うこともできますし、自分の振り返りで使うこともできます(こちらは後述で補足します)。
そんな時間がない!ということであれば、業務中の雑談やチャットなどでサクッと話してみるのがおすすめです。この時に生きてくるのが、「自分の頭で考える」です。
サクッと話すためには、ある程度情報を頭の中でまとめておかなければならず、自分の言葉で説明ができるぐらいは情報をまとめるようにしましょう。
ステップ2:今の現場で周りにアピールする。
自分の目指している目標を周りに話す
具体的な目標を口に出して伝えることは、実は一番重要な気がしています。恥ずかったり、自信がなかったりで、自分の心の中だけにしまわれているのではないでしょうか。
周りの人はエスパーではないので、心の中までを読ません。自分がやりたいことをきちんと伝えることで、「それであればこれやってみて」というようなきっかけが生まれる可能性が高くなります。
「要件定義書を作ってみたいです」「PMを目指しているのでスケジュール管理をやってみたいです」など、具体的に伝えられると、受け手も渡す仕事(タスク)のイメージがつきやすくなると思います。
積極的に手を上げる
いくら勉強していても、アピールしても、実際に業務として入ってみないとわからないことも多く、経験も積めないため、何もやっていないことと同じです。プロジェクトでチャンスがあれば、積極的に手を上げて経験を積みましょう。
もちろん最初からすべてのタスクをやるのは難しいと思います。そこでおすすめなのが「小さい範囲から始める」です。
ここで、勉強してきたことが生きてきます。例えば、マネージメントであれば、スケジュール作成や管理、工数見積もり、WBS作成など、マネージメントの要素を切り取り、「この部分をやらせてください」と提案します。
このように、要素ごとに小さく始めることで、依頼側も自分も負担が少なく始められます。また、0から始めるのも難しいと思われますので、まずは作られているもののメンテナンス(管理)から始めるとよりハードルが下がります。
大きなプロジェクトになればなるほど、管理する項目が増えてしまい、手間も増えます。マネージャーもできれば細かい管理は誰かに依頼したい、と考えています。マネージャーの手間も少なくなり、自分の経験も増やせるため、お互いが得をする(win-win)関係になります。
ステップ3:案件を変えてもらえるように相談する
ステップ2を積み重ね、同じ現場でステップアップができれば、それが一番労力がすくなく自分がやりたいことができます。ぜひ続けてチャレンジしてください。
そうはいっても、現実的には難しい場合もあります。
- そろそろプロジェクトが終わってしまいそう
- すでにフェーズが終わってしまい、経験できるチャンスがない
- 現場の人が聞く耳を持ってくれない
このようなときは、別の案件にアサインしてもらえるように、自社の営業さんや上司に相談してみましょう。
ここで活躍するが、勉強したアウトプットです。自分はこんな勉強をしているので、次の現場で経験させてほしい、と具体的な目に見えるアウトプットを見せることで、説得力が上がります。すぐに結果に結びつかなかったとしても、自分のアウトプットは「資産」になり、将来に生かすことができますので、継続していきましょう。
まとめ
今回は、上流工程に参画するための3つのステップについてまとめてみました。
- ステップ1:勉強してアウトプットする
- ステップ2:今の現場で周りにアピールする。
- ステップ3:案件を変えてもらえるように相談する
誰でも、未経験のことはハードルが高いですが、今回の3ステップを参考に、実際に行動し、上流工程にチャレンジしてみてください。