「新しい資本主義」とも言われるWeb3(Web3.0)の代表格として知られるNFT。なかでも今注目を集めているのが、日本発のNFTプロジェクト「CryptoNinja」(クリプトニンジャ)です。
この記事では、
「暗号資産は買ったことがあるけどNFTは未経験」
「NFTは勉強してなんとなく理解したから、実際に投資対象として買ってみたい」
「初めてで不安だから、日本のNFTがあれば買ってみたい」
といった人を対象に、日本発のNFTプロジェクト「CryptoNinja」の基本的な情報や人気の理由について詳しくご紹介します。
「CryptoNinja」とは?
「CryptoNinja」とは、世界最大級のNFTマーケット「OpenSea」で取引されている日本発のNFTコレクションです。
プロデューサーはソーシャルメディアインフルエンサー「イケハヤ」氏(@IHayato)、デザイナーはイラストレーターである「Rii2(リツ)」氏(@rii2_4)が担当し、2021年9月からリリースを開始しました。
ジェネレーション0(Gen 0)は全50体限定とされ、2023年1月現在、34体の忍者がリリースされています。
コンピュータの自動生成によって機械的に組み合わされた従来のNFTコレクティブとは一線を画し、イラストレーターによって丁寧に考えて作りこまれた「一点もの」の忍者たち。
キャラクターの一体一体には「名前」「クラン(所属)」「忍術」などの大まかな設定が付けられており、それぞれに時代背景やストーリーを有しているのが特徴です。
「伊賀」「甲賀」などお馴染みのものから、ロボットや猫、ヒヨコ(!)、神様まで、バリエーション豊かな忍者で賑わっています。
どうしてこんなに人気なの?
「確かに絵は可愛いけど、なんでそんなに人気が出たの?」
と疑問に思った方もいるかもしれません。ここでは、CryptoNinjaがこれほど人気になった理由を掘り下げて行きます。
一体一体に緩い設定がある
2023年1月現在、リリースされているCryptoNinjaコレクションは34体です。
34体の忍者はそれぞれに「名前」「クラン(所属)」「忍術」「武器」「誕生日」「設定」が決められています。例として、No.22「蛇の目」とNo.33「久遠」を見てみましょう。
能力や出自など、一人ひとりにさまざまなバックグラウンドがあることが分かります。
これらの設定に関しては、ガイドライン上で
各忍者には基本設定はあるが、それ以外は自由に想像し制作が可能
引用元:「NinjaDAO」ガイドライン
と規定されており、緩い設定はありながら二次創作の余地を残しているのも人気の理由です。
また、同ガイドラインにはCryptoNinjaのストーリー設定もあり、
Season1「過去戦乱時代」
Season2「平和時代」
Season3「ミライ戦乱時代」
のように時代が分類されています。
現在リリース中の「ジェネレーション0」50体は、Season2「平和時代」に該当する忍者たちです。部族間に対立はなく、忍者たちはしばしば出没する鬼や悪霊を退治したり、里のトラブルを解決する役割を担っています。
一体一体がイラストレーターの手作りである
ジェネラティブNFTとして人気の「CryptoPunks」など、従来のNFTコレクションはパーツを機械的に組み合わせる自動生成データでした。
プロデューサーのイケハヤ氏は、
コンピューターで適当に掛け合わせたものではなく、イラストレーターさんが丁寧に考えて作りこんだ方が面白い
引用元:「CoinPartner」インタビュー記事
と考え、あえてイラストレーターが一つ一つ手作りする「一点もの」にこだわったことを明かしています。
内閣府のクールジャパン戦略でも知られるように、日本のマンガやアニメは世界中で大人気です。
CryptoNinjaに漂う手作り感は、「萌え」にもつながる究極のジャパンクオリティであり、このオリジナリティこそが爆発的人気の秘訣なのです。
二次販売OKである
CryptoNinjaが人気になった最大の理由は、柔軟なガイドラインによる「クリエイティブ・コモンズ・ゼロ」(CC0)という規定にあります。いわゆる「ライセンスフリー」です。
キャラクタービジネスにおいては、一般的に二次創作・二次販売はご法度です。許可されていたとしても部分的、あるいは規定さえなくグレーゾーン扱いのものもあります。
NFT業界においても、二次利用できるのは「NFTホルダーのみ」と規定されているものがほとんどです。
一方のCryptoNinjaはといえば、禁止事項さえ順守すれば、二次創作によって収益化も可能。公式への報告義務もありません。※年商2000万円を超える事業には許可が必要です。
【禁止事項】
引用元:「NinjaDAO」ガイドライン
・CryptoNinjaのイメージを損なう内容
・他者の権利を侵害する、または侵害するおそれのある内容
・CryptoNinjaの公式コンテンツであると誤解をまねく内容
・ファンアート作品(アニメ含む)を、その創作者に無断で再利用する行為(トレース含む)
・その他過剰な性的表現や猟奇的な表現、特定の個人、団体、人種などを中傷する内容等、社会通念上著しく不適応だと判断される行為
つまり、お気に入りの忍者のファンアートをNFTとして販売して収益を得てもOK、マンガを書いてもゲームを作ってもOKということに他なりません。キャラクタービジネスの大革命と言っていいでしょう。
この緩やかな規定のおかげで、世界中で数多くのCryptoNinjaファンアートが出回っています。そしてファンアートが数多く出回ることによって、以下のような好循環が生まれます。
ファンアートが出回る ↓ CryptoNinjaの認知度が増す ↓ さらにファンアートが増える ↓ 多くの人がCryptoNinjaを欲しくなる ↓ 忍者一体一体の価値が上がる
話題性を高めることで、オリジナルの価値が上昇する仕組みになっているのです。
このエコシステムによって、CryptoNinjaは一躍大人気のNFTコレクションになりました。
「CryptoNinja」が生まれた背景
CryptoNinjaプロジェクトが生まれた背景について、プロデューサーのイケハヤ氏は、「日本で誰もNFTをビジネスとしてコレクションしていなかったから」と明かしています(参考:上述「CoinPartner」インタビュー記事)。
そしてその行動は、「日本のNFT市場を盛り上げたい」という想いから来ていることも明かしています。ビジネスとしては「面白くない」状態を脱し、NFT運営のプレイヤーを国内にもっと増やすという壮大な目標を掲げていることがわかります。
まだ未成熟なNFTの日本マーケットを盛り上げるという壮大な野望のため、CryptoNinjaプロジェクトの躍進は今後も続きそうです。
「CryptoNinja」の活動場所
ここまで読み進めて
「CryptoNinja、ちょっと面白そうかも・・・」
と思い始めた人もいるのではないでしょうか?
そんな人の背中をさらに押すために、CryptoNinjaがどこで活動しているかについても見ておきましょう。
メインの活動場所はDiscord
CryptoNinjaプロジェクトのメインとなる活動場所は、Discord上のコミュニティ「NinjaDAO」です。
参加メンバー67000人を超える国内最大級のコミュニティで、活発なコミュニケーションが行われています。
進行中のプロジェクトやイベント情報を確認したり、ファンアートや雑談で交流、ボイスチャットなど、CryptoNinjaに関わるすべての内容を確認できます。
Webサイト、Voicy、Twitter、noteで情報発信
ボイスメディアVoicyには「Ninja DAOラジオ」という専用チャネルが用意され、最新情報やトピックスを手軽に入手できます。
このほか、公式サイト「NinjaDAO」やTwitter、公式ブログ(note)などさまざまなメディアを通じて情報発信が行われています。
「CryptoNinja」サブプロジェクトとは?
CryptoNinjaには数々のサブプロジェクトがあり、リアルタイムで活発に活動を繰り広げています。一例として、公式サイトで紹介されているプロジェクトをご紹介します。
・ジェネラティ部
・クリプトリテラシー検定(CLE)
・メタバライブ
・Cluster事業部
・ニンジャ寺子屋
・にんじゃの絵本
・カードゲームninjarahoi!
・仮想通貨入門YouTubeチャンネル
・MMD部
これだけあっても、まだ一部。実際のプロジェクトや活動の様子はDiscord「NinjaDAO」で確認できるので、興味のある人はチェックしてみてくださいね!
CryptoNinja今後の課題
消費者庁が2022年6月に公表した動向整理によると、アンケートに答えた20代から40代の男女のうちNFTを「十分に知っている」と回答した人は男性で1割前後、女性では数%程度という結果になっています。
価格が高騰し大人気を博しているCryptoNinjaですが、残念ながら日本における認知度は依然低く、NFTで盛り上がっているのはごく一部の限られた人たちという印象です。
今回スポットを当てたCryptoNinjaに関して見てみれば、DiscordやVoicy、公式サイト、Twitterなど数々のツールを使用して情報発信を行っていますが、情報が多すぎて逆に散見している印象を受けました。
情報は鮮度が命。今の形態は、最新の情報を常に発信し続けられるという意味で効率的であり、慣れている人にとっては特に問題ないでしょう。しかし全くの初心者にとって、現状はやや難易度高めです。参入しようとしてもあちこちに情報が多すぎるうえ、スピードも速いため必要な内容を見つけにくいのです。
DAOの性質上コミュニティメンバーに上下関係がないため、CryptoNinjaに関する情報を統合的に集約させることは難しいという実情があります。しかしNFT業界をこれから盛り上げるためには、新規参入者を増やしていく取り組みが不可欠です。NFTについてよく知らない人でも参入しやすい仕組みづくり、さらに、散見する各メディアを整理してポータル機能として情報発信を行っていくことが、今後の課題と言えそうです。
まとめ
CryptoNinjaは、プロデューサーであるイケハヤ氏の「日本のNFT市場を盛り上げたい」という熱い思いから生まれた日本初のNFTプロジェクトです。現在登場している「ジェネレーション0」は全部で50体とされており、今後も続々と新キャラクターが登場することでしょう。さらにCryptoNinja発の各サブプロジェクトもさまざまな場所で活動を広げており、常に希少性や話題性を集めつつ成長しています。CryptoNinjaの今後の活動から、ますます目が離せませんね!