最近、ニュースでNFTという言葉をよく聞くようになりました。〇〇という絵が〇千万円分のイーサで売れた、と、少し投資(投機)のような話が聞かれます。
2021年の世界全体でのNFT取引金額は176.9億ドルとなり、2020年の8,250万ドルの215倍に拡大しています(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/assets/internet_committee_220715_08.pdf より)。
話題のNFTって何だろう
NFTとは「非代替性トークン」のことで、英語だと「Non-Fungible Token(ノン-ファンジブル トークン)」です。非代替性というのは「替えが効かない」という意味です。この世に1つしかない、や、限定品、というのがイメージつきやすいと思います。
NFTは「代替できないモノ」全般を指し、デジタル上のチケットやキャラクターなどを表現しています。つまり、デジタルデータで個性を表現できるようになった点な非常に新しいといえます。
「Web3.0の教科書 次世代インターネットの基礎知識」より
もう少し技術的に説明すると、ブロックチェーンを利用することで「デジタル上で自分が所有している」ということを証明する「技術」であるということが言えます。
デジタル上で物を持てるようになった(所有できるようになった)ことが全てなのかなと思っています。NFTやブロックチェーン、それっぽい言葉がいくつか出てきますが、「デジタル上で自分が所有している」ということを証明する「技術」であるということが本質だと思っています。
https://www.businessinsider.jp/post-246281
デジタルデータの所有者が証明できる、というのが肝です、いままでのデジタルデータ(動画データや音声データ、画像データんなど)は、誰が所有者なのかを証明する仕組みがありませんでした。NFTでは、所有者を明確に証明することができるるようになります。
暗号通貨とNFTは何が違うのか?
よく似ている概念で、暗号通貨がありますが、何が違うのでしょうか?
簡単に説明すると、データ(トークン)の替えが効かない、つまり代替性があるかないかの違いといえます。代替性のないトークンのことを「Fungible-Token:代替性トークン)」といいます。
FTは通貨と同様、「価値のモノサシ」としての利用が想定されているので、○や□などの違いがあると機能しません。そのため、FTはすべて、同じ形状と機能を持つ「Fungible(代替可能)な通貨」である必要があるのです。
「Web3.0の教科書 次世代インターネットの基礎知識」より
暗号通貨は「〇〇万円分のデジタルデータ」として、ほかの暗号通貨や現金と交換することができます。つまり、代替性があるものといえます。
これに比べ、NFTは同じようなデータでも別々の識別情報を付与して、ほかの同じような作品と交換できない唯一無二のものとして扱います。金銭的な価値は相対取引(市場を通さずに、売り手と買い手が当事者同士で価格などを決めて行う取引のこと)で決まるケースが多いようです。
そのため、NFTは画像や音楽、動画などの芸術作品と相性が良いことがわかると思います。
NFTのメリット
以上を踏まえ、NFTのメリットについて大きく3つあります。
デジタルコンテンツの所有者がわかる
先ほども上げましたが、デジタルコンテンツの所有者が簡単にわかります。(コンテンツの一意性)。
デジタルコンテンツが一意であることがわかることにより
- 権利を保ったデジタルコンテンツの流通コストを下げること
- デジタルコンテンツの価値を上げること
のメリットが生まれます。
権利を保ったままデジタルコンテンツの流通コストを下げる
NFTとデジタルコンテンツが紐づいているため、そのデジタルコンテンツが「このコンテンツの持ち主は〇〇さん」という所有していること(権利を持っていること)を簡単に証明することができるようになります。
今までは、複製が簡単なデジタルコンテンツを権利を保ったまま流通させるためには、コピーガードや電子透かしなどの技術が必要でした。流通するためのコストが上がるため、デジタルコンテンツのクリエーターがあまり日の目を浴びない状況でした
NFTを利用すると、ブロックチェーンを利用していることにより、上記のような技術を利用することなく、低コストで所有者を証明することが可能になり、流通するコストを下げることができるようになります。
デジタルコンテンツの価値を上げること
また、所有者が明確になるため、コンテンツの価値が上がりやすくなります。
リアルな絵画であれば「〇億円する有名な絵画を持っている」ことはだれが見てもわかります。NFTを利用することで「デジタル画像を持っている」ことが簡単に証明できるため、リアルな絵画と同じように、デジタルの価値が上がりやすくなります。
NFTをさまざまなサービスで使い回すことができる
NFTは、イーサリアムという暗号通貨のブロックチェーン上に記録されています。そのため、イーサリアム上のサービスであれば、それらを横断して利用することが可能になります。
例えば、イーサリアム上にあるゲームで購入したキャラクターを、違うイーサリアム上のゲームで利用することが可能です。
自動的にプログラムを実行する仕組みを組み込める
NFTの大きな特徴としてプログラマビリティ(自動的に実行する仕組みを持たせることができる)であることです。
イーサリアムのスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に執行できる仕組み)を利用することで、NFTにさまざまな機能を付加できます。
仲介サービスが行っていることをスマートコントラクトを利用することで、ブロックチェーンに記録された情報をもとに、契約やルールを実行することができるようになります。
例えば、書籍について考えてみます。古本屋が書籍を販売した場合、販売店にはお金が支払われますが、原作者にはお金は支払われません。
スマートコントラクトを利用すると、(デジタル上での)古本屋が書籍を販売(転売)した場合、原作者にもお金が支払われるようにプログラムを行っておくことができます。
ルールは自由に決めることができますので、転売されれたら転売価格の数%原作者に支払う、ということもできます。原作者や直接転売した人だけではなく、今まで転売した人すべてに〇%支払う、というルールを付加することも可能です。
まとめ
まだ利用者が少なく一般的に利用はされていませんが、これから徐々に利用されているシーンが増えていきます。このブログでもNFTの利用や購入について実際にやってみたことを記事にしていきますので、ぜひ参考にして見てください。
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